FROM:山端基靖
「百年以上続いている会社はどこが違うのか?」
という本の中で、「老舗(しにせ)の共通点」がいくつかあげられています。
共通点のひとつが「陰徳」。
陰徳とは、人に知られない陰の部分で、世のため人のために善い行いをすることをいいます。
これは、長く続く会社の話ですが、長く繁栄する家柄にも同じことがいえます。
「裏表のない人」という表現がありますよね。
これを、
「裏=家庭生活」「表=社会生活」
として考えてみます。
立派な立場だったり職業だったり役職だったりで、周りから尊敬されている。
でも、家では妻を奴隷扱いしたり、子供に怒鳴ってばかりだったり。
そういう人が、人間として立派かというと、そうでもありませんよね。
一面では立派、他面ではお粗末、ということになります。
「裏表のある人」というわけです。
当然、子供に尊敬されないので、家柄としては衰退していきます。
会社では気が利く。かゆい所に手が届く。人当たりも柔らかい。上司にも可愛がられている。
でも、私生活では、親に全然連絡をとらない。実家にも全然帰らない。お墓参りもしない。
そういう人も、立派とはいえませんよね。
この場合も、「裏表のある人」です。
そして、親や先祖を軽く扱う人の家柄が、繁栄することはありません。
素晴らしい家柄の方を見てみると、表でも裏でも立派です。
伴侶に対して、人前では丁寧に扱い、人が見ていない時はもっと丁寧に扱っています。
人前で伴侶を悪く言ったり恥をかかせたり、というのは当然しませんし、裏でも、相手を腐すようなことはしません。
そういう家柄なので、子供も立派に育っています。
本当に素晴らしい方は、表で立派で、裏ではもっと立派です。
社会生活や人間関係をすごく大切にする一方、それ以上に、親や伴侶を大切にしています。
「裏(陰)を大切にする」「陰徳を積み重ねる」というかんじです。
他人の評価の及ばないところで、真心を尽して事にあたるわけですね。
逆に、裏表のある人は、他人の評価をすごく気にしたり、他人の評価がないと頑張れなかったりしますよね。
両者のこの違いは、家族の人生を大きく左右します。
そのようなわけで、陰徳は、家庭円満や子孫繁栄に欠かせません。
ぜひ、心に置いていただければと思います。
ではまた。
追伸
今日は、裏表のある人ない人、という観点で「陰徳」という言葉を使いました。
ですが、この言葉には、もっと広い意味がありますので、その点はご注意いただければと思います。
山端 基靖
※このブログは、家庭力アップメルマガの内容を転載したものです