FROM:山端基靖
男子中学生のA君が、同級生の不良B君に目を付けられていました。
理由は、「気に入らないから」。
ありがちな理由です。
ただ、こういう場合、細かく説明するのが面倒なので「気に入らない」と済ませているケースが多いですよね。
本当は、不良には不良の言い分がちゃんとあります。(いろんな子がいるので何とも言えない部分もありますが‥‥)
B君は何が気に入らなかったのか?
とその前に、、、
B君が学校でどんな子かというと、アピール型の不良です。
〇先生に対してケンカ腰になって大声で絡む
〇授業中、机の上にお酒を置く
〇授業中、クラスの窓から見える場所でウロウロする
〇学校の内外で他の生徒に露骨にケンカを売る
〇わざわざ人目につく場所でタバコを吸う
みたいなかんじです。
アピール型のB君は、当然、学校の内外で大勢に注目されました。
そして、誰がどんな目で自分を見ているか、彼なりに気にしていたと思います。
・あの先生は俺に対して冷め切ってる
・あの先生は怒らせないほうがいい
・あの先生は親しく接してくれる
・あの生徒は俺にビビってる
・あの生徒は俺にあきれてる
・あの生徒は普通に接してくるいいヤツ
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露骨に悪いことをしまくる中で、他人の本心や自分への評価を品定めするかんじです。
自意識過剰ともいいますね。
これは、B君なりの自己表現であり、B君がいつの間にか身につけた極端な取捨選択法です。
さて、B君は、他人がどういう目で自分を見ているか、日頃から気にしていました。
そんな中、「Aは気に入らない」となったわけです。
A君に対して、私はこう訊きました。
「B君って、不良仲間以外にも友達いるでしょ?」
「います」
「B君の友達の中には、成績が良くて部活でも活躍してるような子もいるんじゃない?」
「います」
「だったら、B君は手あたり次第誰にでもケンカを売ったりしてるわけじゃないってことだね?」
「はい」
「じゃあ、B君と仲良くしてる普通の生徒と君とでは、何が違うと思う?」
「分かりません」
「君は、B君のことを腹の中でバカにしたことない?」
「あるかもしれません」
「B君は、君にバカにされたような雰囲気を感じたんだと思うよ。B君が何かをやった時、冷たい顔で見たりとか。
実際、B君と仲良くしてる子の中には、優秀な子とか普通の子もいるわけだよね?
だったら、今回のことで、ただ単にB君を悪者扱いしても解決しないよ。君が被害者ぶっても解決しない。
相手に指している指を自分の心に向けないと、かりにB君の問題が解決しても、今後また同じような問題が起こってくるよ。
世の中いろんな人がいるし、これからの人生でいろんな人と関わることになる。
そんな中、なんぼおかしな人だからって、いちいち冷たい目で見たりバカにしたりしちゃいけないよ。
相手には相手なりの人生があるし、いろんな考え方があるんだから」
A君は一応納得してくれたようでした。
※実際はもう少し細かい内容の会話をしています。
実際、A君は、人をバカにするような性格でした。
「この前、道を歩いてたら、変な人がいたからガン見してやったさ(笑)」
という具合です。
なので、B君の目には、A君が自分をバカにしているように映ったことがあったのだと思います。
そして、
「あいつは調子に乗ってる」「気に入らない」
となったかんじです。
人のせいにするのは簡単です。
みんなと一緒になって嫌われ者に指を指すのも簡単です。
ですが、どんな困り事が直面した時も、自分の心に指を向けたほうが、本当の解決につながります。
ぜひ、ご参考程度にでも、心に置いていただければと思います。
ではまた。
追伸
結局、B君がA君を殴るような事件は起きませんでした。
ただ、A君は、今回言われたことを理屈では理解できても、B君に対する見方や自分の心を変えるまではいきませんでした。
子供に限らず、「助言一発で相手を変える」というのは、できることではありませんね。当たり前ですが‥‥。
根気のいることですが、
「正しい努力を継続してもらうためにその都度働き掛ける」
という姿勢が大事ですね。
つくづくそう感じます‥‥。
山端 基靖
※このブログは、家庭力アップメルマガの内容を転載したものです