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執筆者の写真山端 基靖

自傷行為を繰り返すA子ちゃんの家庭


FROM:山端基靖

昨日は、

「うまくいくチームは、サイコロジカル・セーフティー(心理的安全性)が確保されている」

という内容に触れていただきました。

〇自分がどんな発言をしても大丈夫な場

〇周りがどんな発言をしても大丈夫な場

〇お互いを尊重しつつ自分を出せる環境

〇思いやりを与え合い感じ合える環境

〇真心をもってお互いに接することができる環境

それさえあれば、やり方や形態や規則にこだわらなくても、いいチームができる。

という内容です。

今日は、その内容を家庭に置き換えてみたいと思います。

「もっと早く言ってほしかった」

「どうして今まで黙ってたの!」

という状況は、いろいろなご家庭で起こっています。

〇多重債務(複数の金融会社から借金)

〇金銭トラブル

〇男女間のもつれ

〇人間関係のトラブル

〇詐欺トラブル

〇職場トラブル

〇学校トラブル

などで、どうにもできなくなってから打ち明けられるケースです。

これまで、そういうケースに何度も関わってきました。

そのたびに思いました。

「相談したくてもできなかったんだろうな」と。

後ろめたくて、、、

恥ずかしくて、、、

どうしていいか分からなくて、、、

言いづらくて、、、

自分で何とかしたくて、、、

打ち明けた側にこのような言い分がある以前に、そもそも、相談できる雰囲気が家庭にないことがほとんどです。

ある一例をご紹介したいと思います。

以前、自傷行為を繰り返す20歳のA子ちゃん&A子ちゃんのお母さんと、三者面談する機会がありました。

そのお母さんは、傍から見る限りでは、活発で明るい性格の方。「いいお母さん」という印象です。

面談中、私がA子ちゃんに話しかけると、いつもお母さんが割って入ってきました。

私がA子ちゃんに何かを質問すると、お母さんが横から入ってきて答えてくる、みたいなかんじです。

お母さんはおそらく、自分では、娘と私に気をつかって、うまく会話を回そうとしていたんだと思います。

A子ちゃんのことをよく理解できているつもりでいたんだと思います。

ですが、お母さんが割って入るたびに、その横で、A子ちゃんが暗い顔をしてうつむいていました。

自分が答えようとするたびに、いつもお母さんが横から入ってくるわけですからね。

しかも、娘の代弁をしている「つもり」のお母さんの意見は、見当違いなように聞こえました。

「ん~、ホントにそうなのかな?」というかんじです。

さて、そんなA子ちゃんが、何かあった時、お母さんに相談するでしょうか?

楽になりたくて打ち明けることはあるかもしれませんが、かといって、それで解決できるとは思わないんじゃないかな、と思います。

というのも、そういう雰囲気が家庭にないと思うんです。

普段のコミュニケーションの中で、そういう雰囲気を感じられないと思うんです。

A子ちゃんからすると、お母さんは理解者のつもりでいるけど、見当が外れている。

かといって、自分の思いを伝えても、お母さんは理解しているつもりでいるので、「わかってるわかってる」という軽い聞き方しかしてくれない。

結果、A子ちゃんは自分で抱え込むしかない。

みたいなかんじです。

実際、お母さん側は、

「この子はお父さんと合わなくて、お父さんにストレスを抱えている」

と思っておられました。

ですが実際のところ、A子ちゃんはお父さんのことはむしろ好きで、

「お母さんは口うるさくて苦手」

と言っていました。

かなりのギャップです。

心理的安全性のない環境です。

家庭生活で何が厄介かといえば、一つには、意思の疎通がうまくいかないことです。

その状態が長引くと、めちゃくちゃストレスになりますよね。

かといって、そういう家庭では、話し合おうにも、まともな話し合いができません。

理由はこんなところでしょうか↓

〇それぞれが自分が正しいと思っていて、相手の言葉が入ってこない

〇忙しいのを言い訳にしてコミュニケーションを避けている

〇話してもどうせ都合の悪いことを言われる

〇嫌いだから話したくない

〇どうせまともに聞いてもらえない

〇一方的に主張されるだろうから話したくない

〇どうせ口ごたえされるから話す気にならない

〇最終的にケンカになってしまう

:

:

こうグチグチ思うだけで済んでいるうちはいいですが、そのままいくと、後々取り返しのつかないことになるのは、目に見えています。

もし、ご家庭で意思の疎通がうまくいっていないなら、

「心理的安全性を確保するために自分に何ができるか?」

その答えを、専門家に教えてもらうことをお勧めします。

ではまた。

山端 基靖

※このブログは、家庭力アップメルマガの内容を転載したものです



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