FROM:山端基靖
「上司が冷たい。無視されることもある。僕だけやたら怒られる」
という方がおられました。
入社した時からそうだったのか尋ねると、そういうわけではなく、いつの間にかそうなっていた、とのことでした。
お話を細かく伺ううちに、上司に嫌われている理由が分かってきました。
何かというと、
「職場の行事に全然参加していない」
という点です。
その方の職場では、年に何度か、休みの日に行事があるとのことでした。
〇ホテルに社員を集めての交流会
〇社員の家族も参加できる運動会
〇社員あげてのスポーツ観戦
〇誰かの講演会
などです。
どれも強制ではなく、「できるだけ参加するように」というスタンスだったそうです。
休日で、しかも給料が出るわけでもないので、会社としては強制できないわけですね。
その方は、強制じゃないのをいいことに、ことごとく参加しなかったそうです。
するとある時、上司にこんなようなことを言われたそうです↓
「お前、毎回毎回行事の参加を断ってるけど、出ないでどうするんだ?
〇〇さんのツテで転職してきて、こっちも先方からお願いされて、それで今ここにいるんだろう。
会社も意味があって行事をやってるんだし、会社に貢献する気持ちでいなきゃダメだろう。
そんな態度じゃ、こっちも面倒みきれないぞ」
その時はカラ返事をして、その後も行事に参加しなかったそうです。
そういう経緯があっての、上司との関係でした。
会社というのは、現状維持の経営をしていると、間違いなく衰退します。
毎日毎日いつも通りの仕事をするだけ、というスタンスでは、そのうち潰れます。
ですから、新しい取り組みに投資したり、社員同士の関係性を深める何かをしたり、地域や社会への貢献活動をしたりするんですね。
先ほど挙げた会社の行事にも、全部意味があります。
そういう行事も含めた、会社経営なんです。
そういう行事をするからこそ、会社は存続でき、社員に給料を支払うことができるわけです。
「そちらの会社に入れてください。でも、生活のために働くだけです」
「給料はできるだけたくさん欲しいです。でも、最低限のことしかしません」
「もっと社員を優遇してほしいです。でも、僕は会社に貢献する気はありません」
「もっと職場環境を良くしてほしいです。でも、そのためにかかる労力や経費には、興味ありません」
これでは、上司に嫌われても仕方ありません。
あなたもそう思いませんか?
会社側の気持ち、上司の気持ちを無視して自分の思いばかり通そうとする。
目上の思いを汲んで相手に喜んでもらおう、という気持ちがない。
そういう方には、共通点があります。
何かというと、家庭でもそんなかんじで育ってきている、という点です。
〇親の思いを汲もうとしないで自己主張
〇親に口ごたえするのが当たり前
〇親の言うことが気に入らなければふてくされる
〇当たり前のように兄弟ゲンカする
そういうことの延長で、社会に出てからも、目上を軽く扱ってしまうんですね。
家庭での在り方が元になっているわけです。
そして結果的に、目上に嫌な思いをさせたことが自分に返ってきて、自分が苦労しなくちゃいけなくなるわけです。
では、その方は、どうやって上司との関係を改善したのか?
まず1つが、上司にこれまでのことをお詫びして、行事に参加するようにしたということ。
もう1つが、親の思いを大切にするようにした、ということです。
親と同居しているわけではありませんが、親に会った時などは、自分の思いを通そうとせず、親の思いを汲んで接するようにしたんですね。
ではなぜ、上司に嫌われているのを改善する上で、親の思いを大切にする必要があったのか?
それは、その部分がそもそもの元だからです。
上司にお詫びして行事に参加するようになれば、それだけで上司との関係は改善していたかもしれません。
ですが、そもそもの性格を変えるのは難しいので、また別の状況になった時、自己主張してしまうんです。
すると上司としては、「アイツは行事には来るようになったけど、自己主張するのは変わってないな」となります。
いつまでたっても上司との信頼関係が築けないわけです。
ところが、そもそもの元、私生活の面から改善できれば、状況は変わってきます。
元が変わるので、すべてが変わってきます。
その方も、親の思いを大切にしているうちは、上司との関係で悩むことはないと思います。
少なくとも、先ほどのようなレベルで上司とこじれることはありません。
以上、社会に出てから起こる困り事も、家庭生活と直結しています。
ぜひ、心に置いていただければと思います。
ではまた。
山端 基靖
※このブログは、家庭力アップメルマガの内容を転載したものです