FROM:山端基靖
こんにちは(^^)
「相手の思いを大切にする」
というのは、家庭円満に欠かせません。
とはいえ、大切にするも何も、そもそも相手の思いを知ること自体、簡単ではありません。
他人の思いは目に見えないですからね。
しかも、
○言っていることと本心とが別
○態度と本心とが別
というのは、よくあります。
相手が口数の少ない人だったり、よく喋るけど本音が掴みづらい人だったりなど、そういうパターンもあります。
親であれ兄弟であれ伴侶であれ我が子であれ、相手の思いを知るのは、簡単ではありません。
以前、ある方がこんなお話を聞かせてくださいました。
その方は、貧しい家庭で育ちました。
両親共働きで、兄も父親の仕事を手伝っていました。
小学生のある日、母親が、夕食の献立を何にするか悩んでいたそうです。
家が貧しいことも母親が忙しいことも、幼心に分かってたので、親の思いを汲んで、こう言ったそうです。
「お母さん、夕ご飯は漬け物とご飯だけあればそれで十分だよ」
すると母親が言いました。
「そんな薄情なこと言っちゃいけないよ。
あなたはそれでいいかもしれないけど、お父さんとお兄ちゃんは外で働いてクタクタになって帰ってくる。
そうして一生懸命働いてくれている人に対して、漬け物だけというわけにはいかないんだよ」
そう言われて思ったそうです。
「私は私なりに親の思いを汲んで言ったつもりだったけど、親の思いってもっともっと深かったんだなぁ」
僕にも、妻の思いを汲み違えて失敗した経験があります。(いまだによく汲み違えていますが‥‥)
我が家は、両親、私たち夫婦&子供3人、里子(さとご)3人の、計10人家族です。
※里子‥‥家庭の事情などで、よそに預けて育ててもらう子のこと。
そんな中、妻は、食事の支度や食料の買い物をすべてやってくれています。
毎日10人分の食事を作ったり、それだけの食料を買いに行ったり‥‥かなり大変だと思います。
子供が授乳中でも、休まずやってくれていました。
食事を作るだけならまだしも、里子の中には弁当を持たせる子もおり、長女も弁当を持たせて幼稚園に預けています。
妻は朝4時起きです。
そんな妻を気の毒に思い、ある時、こう伝えました。
「たまには夕食作るのをやめて、カップラーメンを配布してもいいんじゃない?カップ麺って、たまに食べるとおいしいし」
私なりに、妻を思って言ったことです。
妻は「ありがとう」とは言ってくれましたが、カップ麺が食卓に上がることはありませんでした。
今になって思えば、僕の気のつかい方は大間違いでした。
妻の苦労している部分だけを見て、そこだけ切り取って、かたよった同情をしていただけでした。
妻のことを思いやっている気になっていただけで、実際は、相手の思いをちっとも分かっていませんでした。
外見だけを見て、自分の色メガネを通して勝手に判断しているだけでした。
というのも、家族の中には、好き嫌いのある人や食べ盛りの人がいます。
母からの「毎食野菜サラダを付けて」という要望もあります。
そういうものも踏まえつつ、その日その日、家族の身体のことを考え、好物のことも考えて、妻は料理しています。
そうして家族のことを考えながら料理している人にとって、
「たまにはカップ麺でいいか」
とはならないんですね。
大変さよりも、家族への思いのほうが勝っているわけです。
思えば、妻は、嫁いできてから何度も、
「食事つくるの好きなんです」
と言ってくれていました。
「みんなに食べてもらうのが楽しみなんです」
とも言ってくれていました。
本音なのか気をつかわせないようにしているのか分かりませんが、今でも言ってくれます。
であれば、私が妻の思いを大切にするためにすることは、妻の家族への思いを理解しながら、妻に対してもっと感謝を伝えることかもしれません。
「漠然と苦労しているわけじゃなく、楽しみがあるから苦労できるんだな。
外見だけ見てウカツに同情してたら、かえって相手に嫌な思いをさせることになる」
妻の頑張りを通して、そう気づかされました。
苦労してる、怒ってる、泣いてる‥‥そういう外見だけに気をとられちゃいけないですね。
外見の裏にある愛情や善意を汲み取りつつ、
「どういう思いで苦労してくれているのか?」
「どういう思いで怒っているのか?」
「どういう思いで泣いているのか?」
と考えると、相手の思いに近づけるように思います。
そして、相手の思いはどこにあるのか、その答えの種は、相手が普段さり気なく蒔いてくれているかもしれません。
私の妻が時々、
「食事つくるの好きなんです」
「みんなに食べてもらうのが楽しみなんです」
と言ってくれているように。
今日の話が、あなたにとって、「相手の思いを大切にする」ためのヒントになれば幸いです。
ではまた。
山端 基靖
※このブログは、家庭力アップメルマガの内容を転載したものです