FROM:山端基靖
知人が、ヨソの3歳くらいの娘さん(Aちゃん)のことで、こう言いました。
「Aちゃんってなんか可愛くないよね。なぜか分からないけど、Aちゃんって可愛いと思えない」
そこで私は言いました。
「Aちゃん自体は可愛いと思うよ。
でも、Aちゃんの母親が子供の面倒をちゃんと見ないで両親に任せてばっかでしょ。
そういう親の姿が印象としてあるせいで、Aちゃんまで可愛くないように見えてるんじゃない?」
すると知人は、「言われてみると確かにそうだね」と。
数年前、児童養護施設の見学に行き、そこの子供たちと接したことがあります。
そのときに印象的だったのが、「虫歯の子が多い」ということでした。
彼らは、親に育児放棄されて、ちゃんと歯磨きしてもらえなかったのかもしれません。
実際、施設に預けられている子の中には、そういう子が何人もいるそうです。
ちなみに、最初に出てきたAちゃんも虫歯だらけ。
そのほかにも、親が子育てを親(子供から見た祖父母)に丸投げしているような家庭では、虫歯の子が多い印象があります。
そういう親は、あからさまに面倒臭そうなかんじで子育てしています。子供のことで、いちいちイライラしています。
育児を面倒くさがる親の子供が虫歯だらけ。
そういう姿を見ると、「ちゃんと歯磨きしてもらってないのかな?」と心配になります。
もちろん、もともと虫歯になりやすい子もいるので、一概にどうこう言えませんが。
ただ、そういう家庭の子供は、家で愛情をかけてもらえなかったり、親の都合に振り回されたり、無教育でいることが多いです。
親が育児を面倒くさがっているわけですから、そのあたりは当然想像がつきますよね。
とするとそういう子は、
・ワガママだったり、
・偏食だったり、
・暴力的だったり、
・勝手なことばかりやったり、
・すぐに腹を立てたり、
・すぐにいじけたり、
・生意気なことを言ったり、
・おかしな遊びに周りの友達を巻き込んだり、
・表情が貧しくて無口だったり、
となりやすくなります。
家庭で愛情も教育も受けられないのですから、どうしてもそうなりますよね。
すると当然、人から可愛いと思われません。人に愛情をかけてもらえません。
いくら子供とはいえ、ワガママ勝手が過ぎると、周りの大人は嫌な気持ちになりますからね。
そう考えると、
『親に愛情をかけてもらえない子は、他人にも愛情をかけてもらえない』
というひとつの結論にいたります。
その子の向こう側に親の姿が見えてしまう(想像できてしまう)から可愛いと思えない、というのもあるかもしれません。
冒頭の、私の知人のAちゃんへの印象のように。
自分の子供が他人に愛されないのは切ないですよね。
だって、保育園(幼稚園)でも学校でも、そういう子は、みんなからそれなりな関わり方をされてしまいますからね。
それこそ先生にも冷たくされてしまいます。
先生からすると、だらしない子より整理整頓する子のほうが可愛いですからね。
ワガママで口答えする子より、素直な子のほうが可愛いですからね。
おとなしすぎて表現力がない子より、打てば響くようなハキハキした子のほうが可愛いですからね。
そして、そういうのは、積り重なると、先生も態度に出しちゃうと思うんです。
先生に限らず、周りの友達なんかも同じです。
実際、私の学生時代もそうでした。
学校の先生になるような方ですから、先生は志をもって生徒と接していると思うんです。
ですが、いちいち逆らったり屁理屈をこねたり悪ノリしたり、そういう子に対しては、だんだん扱いが雑になっていました。
「先生なんだから生徒全員に愛情をかけろ!」
と思う方もいるかもしれませんが、周りがそういう主張を押し付けてどうなるものでもありません。
先生からすると、手のかかる生徒の相手ばかりしていられません。
なんとかしたい気持ちはあっても、関わらなくちゃいけない生徒ややらなくちゃいけないことは、他にもありますから。
親からすると、いくら育児に手を抜いてるからといって、自分の子が他人に冷たくされるのって辛いですよね。
我が子への愛情自体は持っているわけですから。
愛情はあっても、それをうまく形にできないだけですから。
結局、子供のことでどこまでも愛情をかけられるのは、親だけです。
子供のために誰よりも頑張れるのは、親だけです。
妊娠・出産・授乳期の母親の頑張りに勝るものはありません。
その頑張りがあっての、今の子育てです。
〇愛情をどう形にするのか分からない
〇我が子が他人に冷たくされる
〇我が子のことをどうにもできない
そんな時は、簡単に取り返しがつく早い段階で、一歩踏み出して、信頼できる専門家に相談していただければと思います。
ではまた。
追伸
人間の人格は、50%が先天的要因(生まれ持った性格)、残り50%が後天的要因(生活環境など)で形成されるそうです。
脳科学者の本で読んだことがあります。
であれば、わがまま勝手な子がいた場合、それはそもそものその子の性格であって、家庭環境によるものではないのかもしれません。
ただ、どんなケースであれ、親としてはなんとかしてあげなくちゃいけないわけで。
そして実際、どんな子であっても、親が正しく努力できれば、子供はまともになります。
山端 基靖
※このメルマガは、読みやすさを優先し、会話口調を意識しています。